犬同士が仲良くできない様子を見ると、不安になってしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。
とくに多頭飼いやドッグランでの交流がある場合、犬同士の相性や関係性に気を配る必要があります。
そこで気になるのが「犬同士の仲が悪いサイン」。
どんな行動が注意サインなのか、またそのとき飼い主がどのように対応すればよいのかを知っておくことは、愛犬の安全と安心につながります。
本記事では、犬同士の仲が悪いときに見られるサインの見分け方や、トラブルを未然に防ぐ方法を詳しく解説します。
さらに、関係が悪化してしまった後の改善策や、専門家に頼るタイミングについても紹介します。
犬同士の関係性に不安を感じている方や、初めて多頭飼いを始めた方にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
【記事のポイント】
- 犬同士が仲悪いときに見せる具体的なサイン
- トラブルを防ぐための飼い主の対応方法
- 仲が悪くなった犬同士の改善ステップ
犬同士の仲が悪いサイン
吠え方や唸り声で判断する
犬同士の関係がうまくいっていないときは、吠え方や唸り声に注目することで早期に気づくことができます。これは犬が不快感や警戒心を示す、わかりやすいコミュニケーション手段だからです。
特に気をつけたいのは、以下のような吠え方や唸り声です。
- 低く、喉の奥から響くような唸り声
- 吠えが止まらずに連続して続く
- 他の犬が近づくたびに発せられる威嚇のような吠え声
このような声が聞かれた場合、相手に対する敵意やストレスがたまっている可能性があります。
一方で、遊んでいるときの声も見極めが必要です。犬は興奮すると吠えることがありますが、その場合は耳や尾の動き、表情なども併せて観察する必要があります。
声のトーンや頻度が普段と異なると感じたときは、その場で犬たちの距離を取る判断も重要です。
ただし、遊び声と攻撃的な声を混同しないよう注意しましょう。
また、吠えること自体をすぐに叱るのではなく、「なぜ吠えているのか」に目を向けて原因を探る姿勢が大切です。
ボディランゲージから読み取る
犬は言葉を話せない代わりに、全身を使って気持ちを表現します。仲の悪さを見抜くうえでは、このボディランゲージを読み取ることが非常に役立ちます。
以下のようなサインが見られたときは注意が必要です。
- 尻尾を下げて後ろ足の間に巻き込む
- 耳を後ろに倒して伏し目がちになる
- 背中の毛が逆立つほど緊張している
これらの動きは、相手の犬に対する恐怖や警戒心を示しています。無理に接触させ続けると、争いにつながる可能性があるため、すぐに状況を見直すことが大切です。
逆に、お尻を上げて前足を地面につける「プレイバウ」の姿勢は遊びの誘いなので、混同しないようにしましょう。
また、個体差があるため、自分の犬が通常どのような動きをするかを日頃から観察しておくと、異常を察知しやすくなります。
特に多頭飼いやドッグランでは、小さなサインの見逃しが大きなトラブルの引き金になりかねません。
だからこそ、言葉以外の表現を理解する力を飼い主が身につけることが大切です。
距離の取り方や視線の動きに注目
犬同士の関係性は、どれだけ近づいているか、また視線をどう向けているかである程度読み取ることができます。
犬は本来、仲間意識が強く、親しい相手には自然と近づいていきます。
しかし、次のような行動が見られた場合は、関係が良好でない可能性があります。
- 相手の犬を避けるように距離をとる
- 挨拶をせずに目を逸らして歩き去る
- 見つめ合って緊張感のある空気になる
特に、にらみ合うような見つめ合いは、喧嘩の前兆になりやすい行動です。
このとき、尾が高く上がっていたり、体が前のめりになっている場合は、攻撃の準備をしていると考えられます。
逆に、目をそらす行動は争いを避けたいという気持ちの表れであり、いわば「平和的な拒絶」のサインとも言えるでしょう。
このように、犬の視線や位置取りには本音が現れます。
犬同士が近くにいるのに互いに無関心でいたり、あるいは不自然なほどに距離を取っているときは、無理に関係を進展させようとしないことが大切です。
安全のためにも、距離と視線の変化には日頃から敏感になるようにしましょう。
犬同士のトラブルを防ぐ方法
社会化のタイミングを意識する
犬同士のトラブルを防ぐには、社会化のタイミングがとても重要です。犬が他の犬や人間との接し方を学ぶ「社会化期」は、生後3週齢から14週齢頃とされています。この時期に多くの良い経験を積むことで、成犬になってからの対人・対犬トラブルを避けやすくなります。
社会化を意識する際には、以下のような行動が効果的です。
- 同じ年頃の子犬と定期的に遊ばせる
- 静かな場所から少しずつ刺激のある環境に慣らす
- 様々な犬種、サイズ、性格の犬と接する機会を作る
一方で、無理に接触を促すと逆効果になる場合もあります。怖がっている犬に他の犬を近づけると、恐怖心が増して攻撃的になるリスクがあるため、愛犬の様子をしっかり観察しながら進めることが大切です。
また、すでに成犬になっている犬でも、ゆっくりと時間をかけて慣れさせていくことで社会性を育てることは可能です。
どの年齢であっても、社会化の第一歩は「安心できる環境」での経験です。無理なく、少しずつ世界を広げてあげましょう。
飼い主同士の事前コミュニケーション
犬同士の相性を見極めるには、飼い主同士の事前のコミュニケーションが欠かせません。お互いの犬の性格や過去の経験を知っておくことで、不要なトラブルを未然に防ぐことができます。
以下のような会話を心がけると、犬の安全につながります。
- 普段の遊び方やテンションの傾向を伝え合う
- 攻撃的になりやすい場面や苦手なタイプの犬を共有する
- 初対面の犬同士の場合はリードをつけたままで様子を見る
例えば、相手の犬がシャイだったり過去にトラウマを抱えている場合、無理に近づけると逆にストレスを与えてしまいます。
また、遊び方が激しい犬と穏やかな犬では、衝突が起きやすくなります。事前に情報を交換することで、こうした性格の違いを把握でき、適切な距離感を保つ判断が可能になります。
さらに、何かトラブルが起きた場合でも、飼い主同士の信頼関係があれば、冷静な対応がしやすくなります。
こうして積極的にコミュニケーションを取ることが、犬同士の関係を円滑にするための土台になるのです。
トレーニングで指示を聞けるようにする
犬同士のトラブルを防ぐには、飼い主の声がきちんと届く状態を作っておくことが重要です。そのためには、基本的なトレーニングを通じて、指示に従えるようにしておく必要があります。
最低限覚えておくと良いコマンドには、以下があります。
- 「おいで」:危険な場面から犬を呼び戻す
- 「待て」:興奮した状態を一度落ち着かせる
- 「離して」:おもちゃや物の取り合いを防止する
これらのコマンドが使えることで、犬が他の犬に対して過剰な行動をとったときにも即座に対応できます。
また、トレーニングは短期間で効果が出るものではありません。日々の積み重ねが必要となるため、焦らずコツコツと続けることが大切です。
ただし、叱ることばかりに意識が向くと犬が萎縮してしまいます。できたことをしっかり褒める、ポジティブな強化を意識したトレーニングを取り入れましょう。
また、もし自己流でうまくいかない場合は、ドッグトレーナーに相談するのもひとつの方法です。プロのサポートを得ることで、トラブル回避能力をさらに高めることができます。
仲が悪い犬の対応と改善策
無理な接触を避けるべき理由
犬同士が仲良くできていない場合、無理に接触をさせようとするのは非常に危険です。相性が合わないまま近づけると、緊張やストレスが高まり、攻撃的な行動に発展する恐れがあるからです。
具体的には、以下のようなリスクが考えられます。
- うなり声や逆毛などの警戒サインが出る
- 一方の犬が逃げ場を失い、パニックになる
- 飼い主が間に入って怪我をする可能性がある
このような状態で接触させると、犬の間に強い不信感が残り、その後の関係改善が難しくなります。
無理に仲良くさせるよりも、まずはお互いの存在に慣れさせることが先決です。たとえば、視界には入るが近づけない距離で散歩をする、フェンス越しに存在だけを感じさせるといった方法があります。
また、飼い主が焦る気持ちは犬にも伝わります。冷静に観察しながら、犬の様子に応じて距離を保つことが大切です。
人間関係と同じように、犬にも合う・合わないがあります。無理に接触を進めるのではなく、犬の気持ちを尊重することがトラブル回避につながります。
再会時の注意点と進め方
一度トラブルを起こした犬同士を再び会わせる際は、慎重な段取りが必要です。再会のタイミングや進め方を誤ると、再び緊張が高まり、喧嘩につながる可能性があるからです。
再会を行うときは、以下のポイントを意識してください。
- 中立的な場所で再会させる
- お互いにリードをつけた状態で接触させる
- 最初は数分程度の短時間からスタートする
例えば、自宅の庭のようにどちらかの縄張りと感じやすい場所ではなく、公園などお互いにとって新しい場所が適しています。
また、犬たちの様子をよく観察し、落ち着いているかどうかを見極めましょう。過度に興奮していたり、相手に対して体を硬くしているようなら、再会はまだ早いかもしれません。
無理に進めると逆効果になりかねませんので、焦らず段階的に距離を縮めていくことが大切です。
途中で緊張が見られた場合は、一旦離してクールダウンの時間を設けましょう。そうすることで、犬同士が再び関係を築くチャンスを与えることができます。
専門家に相談するタイミング
犬同士の関係がどうしても改善しない、あるいは攻撃的な行動が頻繁に見られる場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。自己判断で対応し続けると、問題がこじれてしまうことがあるためです。
以下のような状況が見られる場合は、専門的なアドバイスが必要とされます。
- 同じ犬に対して繰り返し唸る・飛びかかる
- 飼い主の声が届かず制御できない
- 他の犬を避けて極端に怯える・攻撃する
このような場合は、犬の行動学に詳しいドッグトレーナーや獣医師に相談するのが適切です。問題の根本原因を探りながら、犬の個性や過去の経験に合ったトレーニング方法を提案してもらえます。
また、専門家のサポートを受けることで、飼い主自身の対応も見直すきっかけになります。犬の行動は環境や飼い主の態度にも影響を受けるため、改善には多方面からのアプローチが必要です。
費用や時間がかかる場合もありますが、それ以上に犬の心身の安定と安心感を得られることが大きなメリットとなります。
まとめ
犬同士の関係性を正しく理解し、適切に対応することは、トラブルの予防と愛犬の安心・安全な生活につながります。
まず、犬が発する「仲が悪いサイン」を見逃さないことが重要です。
吠え方や唸り声、ボディランゲージ、距離の取り方や視線の動きから、犬の気持ちを読み取る習慣を持ちましょう。
次に、トラブルを防ぐための行動として、以下のポイントを意識してください。
- 社会化のタイミングを逃さず、安心できる環境で経験を積ませる
- 飼い主同士の事前の情報交換で相性を見極める
- 日頃から基本的な指示に従えるようトレーニングを行う
もし犬同士の関係がこじれた場合は、無理な接触を避け、徐々に再会を進めていく方法を選びましょう。
それでも解決が難しいときは、専門家のサポートを受けることも検討してみてください。
飼い主が冷静に対応し、犬の気持ちを尊重することで、犬同士の関係改善や予防は十分に可能です。
日々の観察とコミュニケーションが、信頼関係の構築につながっていきます。