一人暮らしや新生活を始める際、家電をまとめてそろえられる「家電セット」は便利な選択肢のひとつとして知られています。
しかし、「本当にお得なの?」「自分に合っているの?」と不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、家電セットには便利さや価格面での魅力がある一方で、注意すべき落とし穴も存在します。ライフスタイルに合わない家電が含まれていたり、自由にスペックを選べなかったりするケースも少なくありません。
この記事では、「家電セットはおすすめしない」と言われる理由をわかりやすく解説しながら、どのように家電を選べば後悔のない買い物ができるのかをご紹介します。
購入後に「失敗した…」と感じないためにも、家電選びのヒントをぜひ最後までチェックしてみてください。
【記事のポイント】
- 家電セットに含まれる不要な家電のリスク
- スペックや機能を自由に選べない不便さ
- 単品購入との価格の違い
家電セットをおすすめしない理由
不要な家電が含まれている
家電セットを購入する際に注意したい点として、実際には使わない家電まで含まれている可能性があります。
一人暮らしの場合、生活スタイルは人によって大きく異なります。たとえば、自炊をしない人にとって炊飯器は必要ないかもしれませんし、掃除の頻度が低ければ掃除機も使わないまま放置されることもあります。
このように、セットに含まれている家電がすべて必要とは限らないのです。
具体的には、以下のような家電が「不要になりやすい」といわれています。
- 炊飯器(外食中心の生活の場合)
- 掃除機(フローリングでクイックルワイパーを使う人)
- トースター(パンを食べない生活習慣の人)
これらの家電がセットに入っていても、自分の暮らしに合っていなければ場所を取るだけの存在になってしまいます。
また、不要な家電に対してもセット価格の一部として支払っているため、コストパフォーマンスの面でも損になることがあります。
最初は便利そうに思えても、実際にはまったく使わないというケースは少なくありません。
必要な家電を見極めてから購入を検討することが、後悔しない選び方の第一歩です。
機能やスペックを選べない
家電セットのもう一つの大きなデメリットは、自分の希望に合った機能やスペックを自由に選べないという点です。
家電には「容量」「機能数」「消費電力」「サイズ」など、細かいスペックが多数あります。しかし、セット販売されているものは、販売側があらかじめ選んだモデルで構成されており、購入者が細かな仕様を選ぶことは基本的にできません。
例えば、以下のような問題が起こる可能性があります。
- 洗濯機の容量が小さくて頻繁に回さなければならない
- 冷蔵庫の冷凍室が狭くてまとめ買いができない
- 電子レンジに温度設定機能がなく、調理に手間がかかる
このように、使い勝手の部分で不便さを感じることが出てきます。
とくに家電にこだわりのある人や、使いやすさを重視する人にとっては、こうした制限は大きなストレスになるでしょう。
価格だけで選んでしまうと、日々の生活での不便さに後悔する可能性もあります。
それを避けるためには、自分に合ったスペックの製品を単品で選ぶという選択肢も検討すべきです。
セット価格でも割高になることも
家電セットは一見お得に見えるかもしれませんが、実際には割高になるケースもあります。
セット価格には「まとめ買いによる割引」が含まれていると思われがちですが、内容や組み合わせによっては単品でそろえたほうが安く済む場合もあるのです。
例えば、以下のようなケースが該当します。
- 必要ない家電まで含まれている
- セット内の製品が旧型モデルでコスパが悪い
- 家電の性能が最低限で買い替えが早まる可能性がある
また、家電セットは価格交渉が難しいことが多く、単品購入のように店舗間で比較して安いほうを選ぶといった柔軟な対応ができません。
さらに、ネット通販では配送料や設置料が別途かかる場合があり、結果的に総支払額が想定より高くなることもあります。
こうした点から、家電セットは必ずしも最安の選択肢ではないということが分かります。
安さだけに目を奪われず、費用対効果を冷静に見極めることが大切です。
単品購入と家電セットの違い
価格交渉ができるのは単品購入だけ
家電をできるだけ安く手に入れたいと考えるなら、単品での購入が向いています。なぜなら、家電セットでは価格交渉が難しい場合が多いからです。
量販店や通販サイトなどでは、個別の家電を選んで購入する際に、価格交渉やポイント還元、値引きキャンペーンなどの交渉余地があります。一方で、セット商品は「すでにお得な価格」として提示されており、追加の割引がされにくい傾向があります。
実際に店舗で以下のようなやり取りが可能なこともあります。
- 同一スペックの商品で安いものに変更する提案
- 他店の価格を見せて値下げを依頼する
- 複数購入によるセット割の再構成
こうした交渉ができるのは、セット販売にはない大きな利点です。
さらに、保証や配送サービスの内容も柔軟に調整できる場合があるため、トータルでのコストパフォーマンスも上がりやすくなります。
価格にシビアな人ほど、単品での購入を基本にしたほうが、後悔の少ない買い物につながるでしょう。
必要な家電だけ選べる自由度の高さ
単品購入のメリットとして見逃せないのが、自分にとって本当に必要な家電だけを選べるという自由度の高さです。
家電セットではあらかじめ内容が決まっており、構成を変更できないことが一般的です。しかし、単品であれば購入者自身が機能やデザイン、サイズなどを細かく選択できます。
たとえば、以下のようなニーズに合わせた買い方ができます。
- 自炊をしないので炊飯器は不要
- 部屋が狭いため、コンパクトな洗濯機がほしい
- 静音性を重視して冷蔵庫を選びたい
このように、生活スタイルや住環境にあわせて家電を最適化できる点は大きな魅力です。
また、不要な家電を購入しないことで、収納スペースや設置場所にも余裕が生まれます。
家電選びは、見た目や値段だけでなく「使うかどうか」が大事な基準です。
このため、自由に選べる単品購入は、自分に合った暮らしを作るうえで有効な手段となります。
使用頻度に応じて予算を調整しやすい
一人暮らしを始める際には、すべての家電を一気にそろえるよりも、使用頻度の高いものから順に買いそろえていく方が現実的です。
単品で購入すれば、家電ごとに予算を割り振ることができ、必要な部分にだけお金をかけられます。
たとえば、次のような選び方が可能です。
- 冷蔵庫と洗濯機にはしっかり予算を充てる
- 電子レンジは最低限の機能で十分
- 炊飯器は必要になってから買う
このように、頻繁に使う家電には高性能モデルを、あまり使わないものは安価な製品を選ぶなど、予算配分を自分で調整できるのが単品購入の魅力です。
特に新生活では出費がかさむため、無理にフルセットを購入するよりも、一つひとつ吟味する方法が無駄なく賢い選択と言えるでしょう。
また、購入を分散させることで金銭的な負担も軽減でき、必要になったタイミングで新しいモデルを選ぶ楽しさも味わえます。
家電選びで失敗しないためのポイント
生活スタイルに合った家電を見極める
家電を選ぶうえで最も重要なのは、自分の生活スタイルに合っているかどうかを見極めることです。いくら高機能でも、使わなければ無駄になってしまいます。
例えば、毎日自炊をする人であれば、炊飯器や電子レンジ、電気ケトルなどの調理家電は必須になります。しかし、外食中心の生活をしている人にとっては、それらの家電は使用頻度が低く、不要と感じることもあるでしょう。
以下のように、自分の生活パターンをもとに必要な家電を見極めることがポイントです。
- 食事は自炊か外食が中心か
- 洗濯はこまめに行うか、まとめて行うか
- 掃除の頻度や重視する清潔度合い
- 家にいる時間の長さと過ごし方
このような視点で家電を選ぶことで、無駄な買い物を避けられるだけでなく、使い勝手のよい暮らしを作ることができます。
生活スタイルは人それぞれ違うため、周囲の勧めよりも「自分にとって必要か」を基準にすることが失敗しない選び方につながります。
部屋の広さや設置スペースを確認する
家電を選ぶ前に必ず確認したいのが、設置予定のスペースと部屋全体の広さです。どんなに性能が良くても、部屋に入らない、置き場所がないといった事態になれば意味がありません。
とくに一人暮らしのワンルームや1Kでは、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電が想像以上に場所を取ります。
以下のような点を事前に確認しておきましょう。
- 冷蔵庫の開き方(右開き・左開き)とキッチンとの干渉
- 洗濯機置き場のサイズや蛇口の高さ
- 電子レンジや炊飯器を置く棚や台の有無
- コンセントの位置と数
また、掃除機などの収納場所が限られる場合は、スティック型の省スペース家電を選ぶことで部屋を広く使えます。
見た目だけで選ばず、実際の配置をイメージしながら選ぶことが大切です。
必要があればメジャーなどで事前に測っておくと、購入後の失敗を防げます。
最低限必要な家電から順にそろえる
新生活の準備を始めると、つい「あれもこれも」と買い揃えたくなるかもしれません。しかし、最初からすべてをそろえる必要はなく、使用頻度の高い家電から優先的に選ぶのが賢い方法です。
特に最初の引っ越し時期は出費がかさみます。家賃や敷金礼金、家具や日用品などもあるため、家電にかける予算はできるだけ効率的に使いたいところです。
最低限そろえるべき家電の一例を挙げると、以下のようになります。
- 冷蔵庫(食品の保存に必須)
- 洗濯機(コインランドリー代を節約)
- 電子レンジ(加熱調理の基本アイテム)
この3つは日常生活に欠かせないため、最初にそろえておくと安心です。
その後、生活しながら「やはり必要だ」と感じたタイミングで、掃除機や炊飯器、電気ケトルなどを追加していく方法が有効です。
こうすることで無駄な出費を抑え、必要な家電にだけ投資できるため、生活の質を高めながらコストもコントロールできます。
まとめ
家電セットは手軽に家電一式をそろえられる反面、すべての人にとって最適な選択とは限りません。
まず、生活スタイルによっては不要な家電が含まれてしまうリスクがあります。たとえば、外食が多い人にとって炊飯器は無用となり、結果として無駄な出費につながります。
さらに、セット販売では製品のスペックや機能を細かく選べないため、使い勝手や満足度に差が出る可能性も否定できません。実際には、容量や性能が自分の希望に合わないこともあります。
加えて、単品購入と比べて価格面で損をするケースもあります。セット価格は割安に見えても、内容や品質次第では割高になることもあるため注意が必要です。
一方、単品で購入すれば以下のような利点があります。
- 必要な家電だけを選べる
- 使用頻度に応じて予算を柔軟に配分できる
- 店舗や通販サイトで価格交渉が可能になる
このように、自分の生活スタイルや部屋の条件に合った選び方をすることで、無駄なく賢く家電をそろえることができます。
新生活のスタートを成功させるためには、「便利そうだから」という理由だけでセットを選ばず、じっくりと検討する姿勢が大切です。